光線療法の歴史

太陽の恩恵をよく知っていた古代人は日光を活用していました。

紀元前2000年ごろからの歴史

紀元前2000年ごろからの歴史

  • 古代の人々は、太陽光が生活に必要不可欠な存在であることや健康維持、病気の治療に有用であることを経験的に知っていました。
  • 古代エジプト人は太陽神ラーを崇拝し、日光浴や日光療法を盛んに行っていたという記録が残っており、エジプトで王をファラオ=太陽の子と呼ぶのも、太陽の恩恵をよく知っていたということの表れと思われます。
  • 古代ローマの博物学者ブリニーは、「太陽は良薬である」といい、痛風、リウマチ、皮膚病などの治療に日光浴を応用し、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスは、「太陽光と熱は、全ての創傷、殊に開放性骨折、破傷風などに効果がある」といい日光療法を本格的に医療の現場に取り入れました。歴史家であり太陽療法の父であるヘロドトスも、「日光浴は健康を回復したい人には欠くことができない」と記しており、日光浴を推奨していた記録が残っています。
  • 紀元前150年頃のギリシアの外科医アンチロスは、「いかなる患者もなるべく日光にあたるようにすべきである」と記しています。

近代の物理的な発見

近代の物理的な発見

近代になり、太陽の光を物理的に分析できるようになり物理的な発見がありました。

  • 物理学者のニュートンが可視光線を発見(1660年)
  • 天文学者のハーシェルが赤外線を発見(1800年)
  • 物理学者のウィラストンや医師リッターが紫外線を発見(1801年)
  • イギリスのダウンス、ブラウンが太陽光線の殺菌作用を発見(1877年)
  • 物理学者のハーマン・ストレーベルが紫外線の殺菌作用を発見(1901年)

光線療法の近代的な発展(光線療法の恩恵)

「太陽光線治療器」

光線療法の近代的な発展(光線療法の恩恵)

太陽光の物理的な発見の後、光線療法の近代的な発展が見られ光線療法の恩恵が次々と明らかになっています。

  • スイスのロリエ博士が日光療養所をアルプス高地に開設し、結核の治療などを実施
  • 光線療法の父と呼ばれるニールス・フィンゼンがカーボンアーク灯を考案して尋常性狼瘡(皮膚結核)の治療に成功し、1903年にノーベル医学生理学賞を受賞
  • ドイツで難治性皮膚病の尋常性乾癬へのカーボンアーク灯による改善の確認
  • バーモンド大学で新生児黄疸症に光線治療の有用性が確認される日光中の紫外線の照射を受けて体内でビタミンDが産生されることが確認される光療法がうつ病治療に有効であることが確認される